トップに戻る

企業支援のQ&A

障がい者の在宅雇用を検討したいのですが、具体的な手順などを教えてください。
次のような流れになります。
  • ① 在宅勤務者にどのような業務を行ってもらうかを検討する
  • ② 受け入れのためのプロジェクトチームを発足させる(社内への啓発、教育方法の検討、関連法規の調査、配属先の検討などを行います)
  • ③ 求人を行う…ハローワークに相談したり、民間の在宅就労支援会社・支援団体を活用するのもよいでしょう。
  • ④ 面接…場所は、会社とは限りません。応募者の自宅や応募者が行ける場所で行うことも考えてみることが必要です。
  • ⑤ 助成金の検討、作業環境の整備、必要機器の検討
  • ⑥ 業務指示の仕方、報告方法の検討、マニュアルなどの作成
  • ⑦ 契約・覚書
採用した後の連絡方法や連絡のタイミング、教育方法、職場とのコミュニケーションのとり方なども、この時点でできるだけ密に決めておくことがポイントです。
事故で障がい者になり、就業形態を在宅雇用に変更したいと考えている社員がいます。社会保険や健康保険など、どんな手続きを踏めばいいのでしょう?
在宅勤務者も、次のすべてを満たし、雇用関係が明白であるとされれば、雇用保険に加入できます。
  • ① 事業主の指揮監督系統が明確であること
  • ② 所定労働日、休日、始業・終業時刻、休憩時間等が就業規則等に明示されていること
  • ③ 各自の始業・終業時刻等の勤務実績が事業主に把握されていること
  • ④ 報酬の中に、月給、日給、時給等、勤務した期間または時間を基礎とした算定部分があること
  • ⑤ 機械・器具・原材料等の購入、事業主や顧客との通信費等について、本人の負担がないことまたは事業主の負担であること、他の事業主に従事してはならないことが、雇用契約書、就業規則などに明記されているなど、請負・委任的な色彩がないこと
在宅勤務者に関して雇用保険の資格を取得するには、「在宅勤務実態証明書」を添付して確認を受ける必要があります。これは、在宅雇用者を採用する場合だけでなく、質問のように在宅雇用に変更する場合も必要です。
労働基準監督署への届け出は、在宅勤務であることだけの変化ならば、届け出の必要はありません。しかし、それにより、会社の就業規則を改定する場合には、変更届を提出することが必要です。詳細は、最寄りのハローワークなどに相談してください。
健康保険、年金保険等の、社会保険に関しては、在宅雇用も一般の雇用と変わりはありません。
在宅勤務の社員を雇用する場合、就業規則はどのようにすればいいのでしょうか? タイムカードもなく、出勤時刻の確認はどうすればいいのですか?
これまでの就業規則では該当しない事項が必要な場合は、必要な改定を行ったり、在宅勤務者に対して特別な就業規則を定める必要があるでしょう。こうした場合は、就業規則の変更届を管轄の労働基準監督署に提出してください。また、就業規則の改定が困難な場合は、別途、在宅勤務者との間で、問題点に関する契約書や覚書を取り交わしたり、労働組合との間で協定を結ぶなどの方法をとれば、正社員として雇用することに問題はありません。
また、在宅勤務者であっても、同じ社員ですから、通勤者と同様の勤務時間や休日のルールを用いるのが通常です。勤務時間の確認は、電話、メール、ファックスなど、いろいろな方法で会社側が確認できるでしょう。採用時にしっかりと、こうした取り決めをしておいてください。
在宅雇用の社員が自宅で使う電気代や通信費などは、どのように計算すればいいのでしょうか? 就業時間以外でも、電気も電話も使います。トイレなどの水道代はどう考えればよいのでしょうか?
別途、覚書を取り交わすとよいでしょう。特にお金のことは、曖昧にせずにきちんと文書にしておくことが大切です。
ある会社では、一切込みで、毎月1万円と定め、定額で負担しています。またある会社では、仕事部屋を定め、電気、電話を別回線にして会社請求としました。家賃に関しては仕事部屋を面積で割り、自宅全体からその割合だけを負担する方法もあります。いずれにせよ、はじめにきちんと決めておきましょう。
このほかにも、業務上必要な消耗品、出社する際の交通費、書類の送付にかかる郵送費などがあります。また、これらを精算する方法も取り決めておきましょう。
在宅雇用の社員が自宅でけがをした場合には、労働者災害補償保険の対象となりますか?
在宅勤務中に発生した災害は、業務と私生活が混在しているために、補償対象となるかどうかの判断が難しくなります。例えば、業務の休憩中に起こった事故や業務時間に仕事部屋以外で起こった事故(トイレや何か必要な道具を取りに行ったときなど)に関しては判断が難しいでしょう。
実際には、調査を行ったうえで判断されることとなります。業務災害と認められるのは、「労働者が労働契約に基づき、事業主の支配下にある状態」で発生した場合です。
在宅雇用者は、OJTなどができません。どうやって育成すればいいのでしょうか?
  いろいろな方法があります。まず、出社がラッシュアワーなどを避ければ可能であるならば、研修の期間だけ出社させるケースもあります。また、家から出ることが無理ならば、研修担当者が家に出向いて行う例もあります。Web会議専用のマシンとカメラを使って、学習時間を設けるのもよいでしょう。民間の教育機関などを利用するのもよい方法です。
気をつけたいことは、在宅雇用の場合、何年も同じ業務だけを与えることになりがちだということです。これでは給与はもちろん、モチベーションも上がりづらくなります。こうした能力開発や研修を計画的に実施して、教育していくことが大切です。
OJTは、メールや電話などの綿密なコミュニケーションで行うことができます。直接会って指導することだけが、OJTではありません。
支援は何年でも受けられますか?
原則として、貴社が採用した人材が落ち着いて業務に従事することができるようになるまでの期間、支援を行います。しかし落ち着いた後でも継続して支援を行うことは可能です。実際、約4年前に就職した方から今でも近況報告や相談を受けています。
企業も同様です。当センターとの間にホットラインを敷き、約3年前に採用した統合失調症の社員の対応に関して悩みごとが生じた際にはすぐに相談の連絡が入ってくる企業もあります。人事担当者や現場担当者は障がい者雇用に関する専門家ではなく雇用管理を手探りで進めている例が多く見受けられます。このような担当者にとっては、障がい者への対応が正しいかどうかを客観的に確認してもらう意図もあって、上手に私たちを利用されているようです。
ハローワークや他社からの紹介で入社した人材でない場合でも支援を行ってもらえるのですか?
もちろん行います。実際にある企業から15人の障がい者の定着支援を請け負っています。障がいの内容は、上下肢障がい、内部障がい、発達障がい、うつ病、統合失調症等さまざまですが、1年経った今でも全員が元気に業務を行っています。