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配慮に関して(その4)

イメージ写真、キーボードに入力している手の写真

しばらく期間が開いてしまいたいへん失礼しました。
今回は、前回記載することのできなかった「業務遂行上の配慮」についてお話しします。
「業務遂行上の配慮」とは、文字通り障がい者のパフォーマンスを上げるために行う配慮です。筆者はこの配慮が、関係者一同がWin-Winになるための最も重要な配慮だと考えています。
パフォーマンスを上げるための配慮には、さまざまなものがあると思います。

例えば、

  • 音声読み上げソフト、書見台、トラックボール等の補助具を用意する。
  • パフォーマンスの期待が難しい業務にはそもそも充てない。
  • 疲れがたまらないよう休憩をこまめに取ってもらう。

のような他の配慮とも重なるものもあります。

そのほかでは、

  • マニュアルを用意する。
  • 口頭ではなくメールで指示を行う。
  • 文章だけではなく図示による指示も行う。
  • 複数の業務を同時に指示しない。
  • 成果物の評価を適切に行う。

など、障がい特性に応じて、さまざまな工夫ができると思います。

なお、鋭い読者の皆様はすでにお気づきだと思いますが、上述で例示した5つの配慮は健常者にも当てはまるものです。特に新入社員に対してはそうであり、同様の配慮を行っている企業は数多くあると思います。

イメージ写真、ほほえむ女性

「障がい者への配慮」=「特別な配慮」と考えがちですが、決してそうではありません。誰にでもできる、また誰に対しても同様にできる配慮です。
したがって、それは障がい者や新入社員だけではなく、既存の従業員に対する配慮にもつながっていきます。つまり障がい者に対する配慮と同様の配慮を従業員に対して行えば、組織全体のパフォーマンスアップにつながるということです。
障がい者の働きやすい環境を作るということは、すなわち従業員全員が働きやすい環境にもつながるというのが筆者の考えです。これが企業にとって障がい者雇用を促進する最大のメリットではないかと思います。

ただし、業務上の配慮を行うにあたりポイントが二つあります。

  • 配慮することに対して、サポート担当者の負担が大きくなり過ぎないこと
  • 配慮後にはサポート担当者の負担が明らかに少なくなること

です。

前者は、例えばマニュアルを事前に用意する際ですが、マニュアルはきれいに形の整ったものでなくても構いません。相手が理解できる程度のきれいさであれば十分だと筆者は思います。きれいに整えることは説明後に障がい者本人(新入社員でもそうだと思いますが)の業務として行ってもらってもいいわけです。できるだけ手間をかけずにすむことが肝心です。
現に、筆者がマネジメントサポートを行っている某企業では、数年前から障がい者本人にマニュアルを作成してもらっています。当初は筆者が作成していたのですがその他の業務量が増えて負担が大きくなりすぎたため、簡単な資料を作って説明するまでにとどめマニュアル自体を作ることはやめました。
そのように変えて大正解でした。筆者のようなロートルより若い人の方が資料作成のセンスを持っています。筆者が作成するものより丁寧でわかりやすく見栄えの良いマニュアルが次々にできました。今では各種マニュアルが整備され、次に入社する社員のために大きく寄与しています。

さて、次回は配慮に関する最後の項になりますが、別の視点からの考察を述べたいと思います。