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業務の見直しで新たな職域創出

イメージ写真、ペンを持つ手

1.実際に有った話

 地域で数か所高齢者施設を有し、サービスを提供している企業から障がい者採用の相談がありました。専門スタッフも含め従業員が100名を少し超えた規模でした。規模からいえば2名の障害者雇用が求められ、急ぎ雇用を進めたいというのが依頼主の希望でした。
しかし、施設が分散している事や高齢者を対象とした業務であることから≪障がい者にどのような仕事を任せればよいか?≫迷うばかりでした。

 リサーチを兼ねて会社の実情を詳しく聞く過程で、この会社にはもっと深刻な課題がありことが分かってきました。それは高齢者を支える専門スタッフが、あまりに多い雑多な業務に振りまわされ、

  • ①それぞれの仕事が中途半端で終わっている事
  • ②本来やるべき仕事に集中できていない事
  • ③それによって利用者に対するサービスの質が低下している事
  • ④さらにそれらが重なり専門スタッフのモチベーションが低下、離職者が出始めている実態

でした。専門スタッフの存在が最大の売りであるはずの施設ではスタッフの離職は経営上致命的な課題を抱えていた訳です。

2.業務を精査する中で見えてきた仕事の組み立て

 高齢者が生活するこの施設で何より大切なことは利用者の心身共の健康管理です。そのためには専門スタッフが十分な時間のゆとりを持って一人一人と向き合う必要があるのですが、掃除や洗濯・記録の記帳・調理・買い物同行…に追われ肝心の仕事に時間をさけていない実態が見えてきました。そこで上記の仕事を再度ピックアップし

  • ①それぞれに割いている時間の総量
  • ②それらの仕事で他の人に振りわけ可能な仕事

を洗い出しました。結果、掃除・洗濯・買い物同行・調理などは他者でも十分対応可能、記録の日誌記帳もフォーマットの改定で時間の圧縮ができることがわかりました。これらの整備で専門スタッフが重点的になすべき仕事=高齢の利用者に時間をかけて向きあうことに時間が割けるようになりました。業務整理の結果他者に触れる仕事はそれぞれに求められる能力を整理し募集をしました。こうした活動を通じて障害者の雇用は成功。雇用率は達成できましたが、もっと大きな成果は業務分解→再整理によって社内の業務が標準化・簡素化され、加えて利用者へのサービスの質が向上できたのです。ある意味当たり前のことをやっただけですが、そのことを通じて業界内のアドバンテージをこの会社は得ることができたのです。